一緒にカラオケにいくと鬼のような「圧」を放ってくる友人の話
典型的な顔面崩壊キモ・オタクであると自負している私なのですが、その風貌と釣り合わず意外と社交性があります まあまあ友人もいますし結構遊んだりします ほんとだよ
先日、期末試験が終了し打ち上げ的な感じでカラオケ行こうぜという空気になり5人ほどでカラオケ店に赴きました
君が代から始まりlemonだったりシャルルだったり有名どころを歌っていたのですが、途中で友人Mがなんかよく分からない曲を入れていました
なんだこれマイナー曲入れんなよ....と内心思っていたのですが、マイクを握る奴の顔はまさしく覚悟を決めた漢の顔 その表情を見て我々は何か得体の知れないものを感じていた
そして前奏が流れ出し、その数秒後、得体の知れない緊張感の中、奴はマイクを口元に近づけ、小さく息を吸ったのち、まるで自分の全てを吐き出すかのように魂のリリックを紡ぐ
一瞬で飲み込まれた。圧倒的声量と圧倒的表現力 聞くもの全ての心をつかみ、震わせるような歌声 上手い下手の領域でその歌声を評価することは最早不遜であり侮辱と言っても過言ではないほどの魂の叫び
「凄い」
一言で表すには惜しいがその歌を敢えて一言で表すとすれば「凄い」この一言に尽きる
まず曲名が凄い。「混沌」という厨二心をくすぐられるワードに加え、突如出現した「サバト・マリアージュ」という外国人。誰?訳の分からない外国人が突如出現して皆戸惑っていると思うが、それもまたサバト・マリアージュの作り出す混沌の一部に過ぎないのだ嗚呼
そして歌っているMの圧倒的声量
ただの同級生だったはずの存在は、今や福音といっても過言ではないような神聖な歌声を伝え続ける「神」に等しい存在になっていた
目の前で、神が、我々に向けて歌っている
その事実だけで皆涙が溢れ、愛が溢れ、ついでに下半身から糞尿も溢れでていた
そして、神と糞尿を垂れ流す男子高校生4人が一堂に会する阿鼻叫喚の部屋の中で、「混沌のサバトマリアージュ」は遂にセリフのパートに入った
「アーッハッハッハッハ!」
「主の託宣を受けし供物たちよ、我が詠唱術によって光の民らの馳走となるがいい!!」
神は、我々に向けて「供物」になるように指示をした 「光の託宣」「詠唱術」「光の民」等、あからさまに精神が錯乱している発言が見受けられるが、ともかく我々は涙を流したまま喜んでその指示を受け入れた
しかし冷静に考えて「供物になる」にはどうしたら良いのだろう?供物経験0の供物童貞の私には分からなかったので神に問いかけた
「供物になるとは、どうすれば良いのですか?」
「服を、脱げ」
服を脱げ、というシンプルかつゴミみてえな指示を飛ばしてくる神に少し憤りを感じたが、素直に全裸になった
「次は、どうすれば良いですか」
「そのまま警察署の前でヒンドゥースクワットをしてこい」
ヒンドゥースクワットは全裸でやるべきではない。これは常識である。全裸でやっていいトレーニングではない。そこそこ足を開くので股間が丸出しになってしまう。最低だ。ましてや警察署の前なら尚更だ。挑発行為として捉えられて実刑判決が下る可能性が高い。
「いや、それはちょっと....」
「こんなことも出来ないの?これだから最近の若い子は....」
若さ、関係なくない?たとえ若かろうと年老いてようと全裸でヒンドゥースクワットはしちゃいけない 出来ないんじゃなく、やっちゃいけない というか同い年でしょ君?お前が最近の若い子を語るなよ たとえ神とはいえ同い年なのに態度デカ過ぎない?
なあ?
逆に、お前が、やってみろよヒンドゥースクワット
全裸で、警察署の前でやってみろよ
もし出来ないのなら
俺と一緒にやろうよ
ダメなところを埋めあって完璧に近づいていこうよ
2人で支え合って生きていこうよ
そしてまた、夏が来たねって二人で笑い合おうよ
いつまでも何度でも一緒に夏を迎えようよ
だから
家族に
なろうよ
っていうプロポーズをずっと考えてるんですけど、流石にキモすぎるなあと激しく反省している午後10時 山本